« 「巌窟王」前田監督「週刊アニたま金曜日」ゲスト出演 | トップページ | 飯塚武史サモンナイト画集感想 »

蟲師第8話「海境より」感想

今回の登場人物シロウ(声:藤田大助)はひなびた漁村で妻を待つ男。その浜には海からいろいろな品物が流れ着く。シロウも数年前、妻をともなって故郷に向かう舟が転覆し、この浜に流れ着いた男。

別の舟に乗っていた妻は行方しれずのまま……。生死が定かでない妻「みちひ(声:清水香里)」を思い切ることができず、ただ浜で待ち続けるシロウ。

実は、故郷へ向かう舟に乗る前に二人は口論しました。そのときシロウはみちひに冷たい言葉をあびせます。「陸についたら謝ろう」そう思っていた矢先の予期せぬ別れ。苦い後悔。

 

さらに数年後。シロウはそのまま漁村におちつき、大切に思える女性「ナミ(声:明坂聡美)」がそばにいました。その頃、浜では何かの前兆のような異変が続いていました。それぞれに不安を抱えるシロウ、ナミ。

 

村に現れるギンコ。数年前にシロウから身の上話を聞かされ、その答えをもってやってきたのでした。数年前の海でシロウの舟が転覆した原因と、今起こっている海の怪現象との関係について。なぜシロウが助かり、みちひが海に消えたのか。

 

そして、シロウとギンコは海に向かうのでした。沖に来ているものを確かめるために……。

 

今回は悲しいお話。みちひはシロウが働いていた店の主人の娘。シロウとみちひは婚約し、彼に跡を継がせるという話さえあったけれど、店の経営状態悪化のためリストラに。ひなびた土地の故郷に帰ることを決めたシロウ。そんな彼についてきたみちひ。

 

みちひはお店のお嬢様。長女ではないということで少々甘やかされてきた感じの娘。おそらく町育ちで田舎ははじめて。住み慣れた町や親から離れてひとり知らない土地、シロウの故郷へ向かうことへの不安。そのためについ愚痴が口をついて出て、シロウをなじってしまう……。

 

そんなみちひに本気半分、勢い半分である言葉を口にしてしまうシロウ。シロウも店をクビになっていること、これからの二人の生活のこと、いろいろ考えてしまうのでつい口がすべったという感じです。

 

おそらく、みちひはシロウから慰めの言葉が欲しかっただけなんだろうなーと。しかしシロウからは期待していたような優しい言葉はなく、

 

「お前も長女じゃないし、もともと打算もあったろ。戻りたかったら戻っていいんだ。お前に合う土地じゃない。」

 

みちひはそんな彼の言葉に傷つきます。おそらく、そこに本気が混じっているのを感じたから。嘘100%なら否定できますが、何%か本気が混じっている場合、どこまでが真実でどこまでが嘘か見分けがつきにくいもの。そしてその動揺こそが、シロウとみちひのその後を分けた……。

 

シロウはこれで気持ちの区切りはついたものの、心の中にかかえていくことになるんでしょうね。

 

ところで今回の絵コンテは平松禎史氏。公式サイトで見たとき夜中で疲れていたためか、「ガイナックス系の人」ということだけ覚えていて、次の日にはなぜか「今石洋之氏」絵コンテと勘違いしてました。「きっとギンコVS蟲の息もつかせぬバトルアクションがあるのだわ」なんて思ってました。バカですね……。

 

ちなみに今回の話は特装版だとDVD第2巻、通常版だとDVD第3巻に収録されています。

|

« 「巌窟王」前田監督「週刊アニたま金曜日」ゲスト出演 | トップページ | 飯塚武史サモンナイト画集感想 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 蟲師第8話「海境より」感想:

» 蟲師「第八話 海境より」 [ツッコミを極めると魔法が使えるようになるって(仮題)]
(C)漆原友紀/講談社・『蟲師』制作委員会 今回の御咄、わたし的ムッシッシベス [続きを読む]

受信: 2005/12/12 23:00

« 「巌窟王」前田監督「週刊アニたま金曜日」ゲスト出演 | トップページ | 飯塚武史サモンナイト画集感想 »